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「ミナサンノオナカノナカニハバクダンガアリマスシニタクナケレバイマカラスルハナシヲマズレイセイニキクコトデス」 発されたのはまるで起伏のない音声。声というよりただの機械音。 『皆さんのお腹の中には爆弾があります。死にたくなければ、今からする話をまず冷静に聞くことです』 こう言った音声であったが、文に興して言うのならまさしく、句読点がない。そして感情も籠らない文字の羅列の様なアナウンス。 大音量な為、聞かずに流したという者は恐らく居なかった。 「これってまさか噂の呪いの音声!」 とある女性社員はヒステリックにそんな事をうそぶきながら、どこか無意識に煽りを入れていた。 「馬鹿馬鹿しいなぁ……」 対してそんなことを言う男性も見える。 「くっだらねぇ。これも新商品か? 喋る介護ロボットのテストか?」 内容は聞き取れない者も多かったはずなので 新製品 新製品 と来たらその流れでこれも 新製品 と至る考えはなくもない。 しかし内容を聞き取れた者も居た。 「今爆弾、死ぬとか言ってなかったか!?」 一体この段階で誰が「シニタクナケレバ」という節を、自らの死というイメージへと実際に結びつけることが出来たであろうか。 文字通り聞けば誰もが死に結びつけるはずの言葉、しかしそんな当たり前なことも出来ない。それ程までに陳腐で唐突な機械音だったと言える。 そしてアクセントを知らない悪魔は、また呪いの言葉を囁いたのだった。
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