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「ソコノダンセイトウセンオメデトウゴザイマスアナタハキネンスベキコウウンナモニターデスヨ」 『そこの男性、当選おめでとうございます。貴方は記念すべき幸運なモニターですよ』 その時 「いやぁぁぁぁぁぁぁ!!」 女性が悲鳴を上げた。 皆がその女性の方を振り向くと、先程から腹痛を訴えていた男性が吐血をしていた。 「健さん、大丈夫ですか!? 私が付いて居ます。お願い……一緒に支え合うっていう約束、破らないで下さい」 飛び散ったのは幾ばくかの水滴ほどであり、吐血の量としてはそこまで多いわけではなかった。 しかし例え微量でも自分の大切な人が突然に血を流してしまったら、声を上げてしまう人間も当然居るだろう。女性の目からは光る滴が緩やかに流れる。 そしてもう1つ敢えて加えるとすれば、その男性はガタイも良くまさに健康がウリのような体育会系の男性であった。そんな男性が突然に吐血をするのは、些か普通とは思えない。 微かな動揺は確かな動揺へと、次第に形を変えていく。
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