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何が原因ですか?
私だけが悪かったのですか?
私が存在することが悪だったのですか?
少なくとも私は『悪』で『犯罪者』なのは間違いない。
これは、絶対の事実。
「疲れた」
腰まである長い黒髪を寒風に遊ばせて少女は擦れた声で呟いた。
灰色のコート、紺色のブレザーに中身がほとんどない蒼の鞄。
高校生だろう。
少女が空を仰ぎ見る。
何もない真っ青な空が広がっている。
何もない。
「……」
少女の焦げ茶色の瞳はその空に何を思ったのか笑っているように見える。
証拠に口元は吊り上がっている。
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