つかの間の平穏と怪しい視線

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つかの間の平穏と怪しい視線

. 職員室に着くと先程談笑していた教師の机にちゃんと菓子が置いてあり、その教師と目が会うと苦笑気味に笑い言った。 「結城…菓子を置いて消えるんじゃない、職員室中が甘い香りで満たされてしまったじゃないか。」 そう言ってから机の上にあった菓子を結城に渡した、さすがの結城も悪いと思ったらしくすまなそうに笑う 「緊急事態だったもんで…ありがとうございました。センセーも1つ要ります?」 「いらん、用がないなら帰りなさい。」 菓子のススメもあっさり断り、教師らしいセリフで締めくくると教師は自分の机に戻った。 「んだよ、じゃあ光太帰ろう。」 つまらなそうに呟くと俺の肩を軽く叩いて職員室を出た。 下駄箱で靴に履き替えてから校門まで一緒に歩いた、なんだか視線を感じるんだよな…背中に。 振り向いても誰も見ている気配はなかった、首をかしげて歩き出すと結城は先を歩いていた。 「じゃあ、俺はこっちだから。」 結城は電車通学らしく、駅の方へ向かうらしい。 俺はバスだから反対側だ、軽く手を降って別れる。 結城はサッと背中を向けるとマイペースに歩いていってしまった、小さくなる背中を見送ってからもう一度校舎を見遣る。 なんだか人影が消えた気もするけど…遠くてはっきりとは見えなかった。 .
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