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夕暮れの校舎裏。
一般生徒は皆帰り、校舎内や校庭に居るのは部活に励む生徒達で。
そんな中、中村光太…まぁ俺は青春の第一歩を踏み出すところだ。
中学2年の頃に同じクラスになった、坂上 楓(めっちゃ可愛い)を校舎裏に呼び出して一世一代の告白直前。
…でも、うまく切り出せない。
校庭に響く運動部の声が無意識に俺を焦らせる
沈黙があまりにも息苦しくて、空気を吐き出すように想いを声に乗せた
『好きです!』
この四文字を言うのに必死だった。
その時、坂上は困ったように目を伏せる。
長いまつげがピクリと動くのがはっきりと分かった
『ごめんなさい、あたし…今同じクラスの結城くんが好きなの……ッ!?』
坂上さんが一所懸命に返事をしているところに、その結城と言う奴が菓子を食いながらやってきた。
こちらに視線を一切くれず、まるで俺達二人がいないようなくらいの潔い無視っぷり。
坂上さんは真っ赤になっていたが、結城の後を付いていった。
俺はフラれたショックとそれをきっと見られていたと言うショックで何も言えなかった
『あ…結城くん、今の聞いてた…?あのね…あたし…』
そこまで言いかけるとやっと人がいることを認識したように、坂上さんの方に振り向いて
『俺…あんたの事知らないし、興味ないから』
ざっくり。
坂上さんは顔を押さえたまま走り去ってしまった。
…この展開はなんだろうか?
この数十分にいくつの恋が散ったのか?
俺には2つしか見つからなかった。
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