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二度目の再会
あの告白の日から暫くたったある日、職員室へ向かおうとしていたら家庭科室の前で結城を見かけた。
何やら女子からたくさんの焼き菓子を貰っている、紙袋いっぱい食うつもりか。
そんな風に観察していたら、ふと目があった反射的に思いっきり反らしたけど。
『おい、光太。』
いきなり下の名前で呼んできやがった、何様のつもりだ。
睨んでやろうかと顔を上げるも予想外に向こうはニコニコ笑っていて。
『これからどこ行くんだよ』
貰ったばっかりの菓子を早速食いながら言ってきた、さっきから上目目線だよな…
フラれたところ見たからって意気がってんのか?
『お前に関係ないだろ。』
わざと冷たくあしらって俺は職員室に向かった。
* * * * *
『よぉ、職員室来るなら言えば良かったじゃん。付いてってやったのに』
職員室に入るなり、クラスの担任の前にいて談笑していた。
相変わらず菓子を食ったままでこちらを見て笑った。
担任も笑ってないで注意ぐらいしたらどうなのか…
呆れから来る溜め息を小さく吐いて話すのも嫌で結城の事は無視をして、美術担当の教師に話し掛ける。
すると教師は席を立って美術室に来るように促してきた。
…俺、なんかやらかした??
特に心当たりはなかったが、拒否する理由の方がないため大人しく付いていくことにした。
視界の端に結城の不安げな表情が映る
『…?なんだあいつ…』
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