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「よしっ!今日はこれで終了だ!実質、体育大会の準備もあるから練習は今日で終わりだ。みんなお疲れ」
それから2日が経ち、ついに学園も活気に満ち溢れてきた。
夕暮れがグラウンドを染め、目にしみる。
「玲那。最後の練習…やるか?」
解散してからいつも通り、玲那に声をかける。筋肉痛が治ってからも、玲那とは練習を続けてきた。それも今日で最後。後は本番を待つのみである。
「うん。がんばろ…」
足にハチマキを結びつけ、歩を踏み出す。初めは覚束無かった足も、何回も練習する内にスムーズに動く様になってきた。
「いち……に。いっち……に…」
玲那が一生懸命声を出しながら足を合わせようと動く。
その姿が何故か可愛く見えて、応援したくなる。
「今日も精が出るな、2人とも」
不意に、誰もいなくなったはずのグラウンド、それも俺達の後ろから声がかかる。
振り向けば、真先輩がニッコリと微笑んでこちらに歩いてくる。
「今日も」?
……と言うコトはこの人は俺達の練習をずっと前から見ていたと言うコトか?
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