赤眼暴力狂乱委員長と天才淡冷眼鏡少女

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「おい、犬。いきなりだけどパシられなさい」 いきなりにも程がありすぎる。 「説明しなくても分かるわよね?」とでも言いたげに真っ赤な目を眇め、偉そうにふんぞり返りながら、束になったプリントを差し出してくる奴がいた。 「んなもん、俺にやらせるなよ……。委員長だろ?」 学園に登校して教室の扉を開ける。そこで、明らかに待ち構えている奴がいると思ったら、大抵そんなコトを頼まれる。 おそらくこいつが言おうとしているのは 「プリントを職員室まで持って行くのがめんどくさいからお前が行け。副委員長なんだから委員長の言うことくらいは聞きなさいよね」 赤く鋭い視線にはそんな意味合いがあるコトくらい、今までの経験上すぐわかる。 俺が断ると、あからさまに大きな舌打ちを鳴らして、ギリッと八重歯を噛み締める。 ガラがわるそうな態度から、どんな不良かと思われがちだが、その実態は、どこぞのモデルにも勝てそうなスタイル。 「あんた…そんな態度でいいと思ってんの?」 俺と頭半分しか変わらない高い伸長がズイッと歩み寄って、上目遣いというか、ほとんど睨み付けるように見上げてくる。 栗色の伸びた前髪から垣間見える真っ赤な瞳は、睨み付けただけで小学生でも泣かせてしまうんじゃないだろうかと思うくらい鋭い
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