赤眼暴力狂乱委員長と天才淡冷眼鏡少女

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「それだったら香須美が行けばいいじゃん」 「う、うるさいわね!!行くったら行くの!!つべこべ言わない!!」 なんだかよくわからない理不尽さを感じたのでプリントを突き返してみるが、それは無視されて、後ろ襟を掴まれて引きずられるように教室を出る。 後から愛華もついて来たのは言うまでもない。 見てわかるように、俺の周りは愛華然り、夏ネェ然り、香須美然りと、見事な個性の塊でできた奴らでいっぱいだ。毎日騒がしくて疲れるねホントにもう。 窓から見える青空と入道雲が、まだまだ残暑を感じさせる今日この頃。 香須美に引きずられるまま廊下を進んで、ため息をつくのだった。 「で、一体何のプリントなんだ?」 背中越しの香須美に問いかけつつプリントを軽くめくっていくと、体育大会と言う字がチラホラと見える。 恐らく先生から「目を通しておくように」とでも言われたのだろう。委員長の仕事も大変だ。 「見たらわかるでしょ?体育大会が近いから、それのプリント」 「ふ~ん。大変だなお前も」 前を向いて歩いている香須美にバレないように、プリントを団扇代わりにして扇ぐと、愛華が羨ましそうに見てくる。 こっそりプリントを愛華に渡そうとすると、何故わかったのだろうか。 香須美からのゲンコツが飛んできて、今度こそ大人しく職員室に向かった。 何故わかったんだ……
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