赤眼暴力狂乱委員長と天才淡冷眼鏡少女

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職員室に着いてノックをすると、またハイテンションな返事が返ってくる。 その声の主こそ俺達の担任で、アズマックスなんて愛称で呼ばれている。 「失礼しまーす」 「よっしゃああぁぁぁぁぁ!!やっと読んでくれたかぁぁ「先生、他の先生に迷惑ですからもうちょっと静かに」あ、すいませーん」 とまぁ、こんな感じだから生徒には人気はあるんだけどね。 さっさとアズマックスにプリントを渡して職員室を後にする。 まだ朝のホームルームまでは時間がある。 次々と登校してくる生徒達で、学内は喧騒に包まれていた。 「あ、香須美さん!おはようございます!」 「今日もお美しい……」 「な、何よあんた達!」 玄関に差し掛かると、男子生徒が次々と香須美に挨拶をしていく。愛華のみならず、香須美もこの学園では人気があるようだ。 そう、着実に女番長という地位を確立しつつあるのだ。まぁ性格が性格なだけにピッタリ似合っているのがおもしろい。 その内バットでも担いで校内をうろつきそうだ。 「あ、香須美さん!おはようございます!」 「わ、私とお近づきになりませんか…?」 どうやら女子の一部からも人気があるみたいだ。 というのも、香須美はかの孔寺蓮財閥の令嬢。お嬢様だ。 俺も初めてそのコトを聞いたときは驚いたものだ。 「な、何見てんのよ!?」 「いや……」 なんせ、お嬢様の中にこんな凶暴な奴がいるなんて思いもしていなかったからな。 顔を真っ赤にしながらズカズカと教室に戻っていく香須美を見ると、意外に嫌がっている感じでもなさそうだった。
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