赤眼暴力狂乱委員長と天才淡冷眼鏡少女

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教室に着くと、面積が狭くなった分、さらに廊下よりも賑やかになっていた。 もうほとんどの生徒が登校しているだろう。 その中で、1人静かに自分だけの世界に入り込んでいる少女を見つけた。 厚さ十センチ近くはあろうかという分厚い本を、机いっぱいに広げて覗き込んでいる。 「おはよう玲那。今日も暑いな」 窓側。一番後ろから1つ前にある俺の席の隣、少女が座る席が太陽の煌めきで眩しく照らし出されている。 静かに顔を上げて俺を見上げると、赤縁メガネに太陽の光が反射して眩しかった。 「……………おはよう」 夏場の窓際はかなり暑かったりする。それなのに、真珠の様な肌は汗粒1つ流していない。 むしろ、メガネの奥に見える澄みきった水色の瞳で、こっちが涼しく感じる程だった。 「何読んでるんだ?」 「…………………」 この無口な少女、相條 玲那(あいじょう れいな)は、知る人ぞ知る超天才少女。IQ200は余裕で超えるであろうその頭脳は、常に知識を必要としているらしい。 何処に行って何をするにも、片手に何かしらの本を持っている。 俺も何冊か本を借りたコトもある。 「相対性理論…。難しい……」 ボソボソと喋る小さな声は、耳を澄まさないとよく聞こえない。 肩まで伸びた青紫のショートヘアーをフルフルと軽く振って、本を閉じる。
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