赤眼暴力狂乱委員長と天才淡冷眼鏡少女

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「相対性理論ねぇ…。なんのこっちゃ。ととっ…」 ズシリと重みのある本を片手に取る。意外な重さに一瞬体がよろけた。 玲那はこんな感じの本をいつも無表情で持っているから、実はかなり力持ちなんじゃないだろうか。 「簡単に言えば、徒競走。人それぞれに時間があって、人の速さで光のズレが起きる。それによって時間のズレも起きる。つまり「ストップストップ!!全く訳がわかんねぇ!!」 難しい話の時はやけに雄弁。 心なしか、イキイキしているように見える。 本人にとっては楽しいんだろうな。 「よっしゃああぁぁぁぁ!!みんな席にすわりゃぁぁぁぁ!!」 チャイムと同時に、うるさいアズマックスの叫び声で会話が中断される。みんながみんな素早く席にに着いて、朝のホームルームが始まる。 「よし、さっそくこの前やったテスト返すぞー」 間髪を入れずに、アズマックスが以前行ったテストの束を掲げる。 どこの学校でも落胆の声は出るものだ。無論、俺達のクラスも。 「せ、せんせー!テストは今度にしよ!今度にしよ!」 窓側一番前に座る愛華が一番焦っている。あいつのテストはほとんど赤点に近い点数しか見たことがない。
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