12244人が本棚に入れています
本棚に追加
/576ページ
「ちっ、惜しいわね…。90か……」
返却されたテスト用紙を見て、ボソボソと呟きながら俺の1個後ろの席に戻っていくのは香須美。
90も取っておいて舌打ちは贅沢すぎやしないか?
いや、こいつら程頭が良いと100以外は赤点と変わらないと言うコトか。
どんだけエリート高校だよここは……。
「いっちー…ヤバい……私ヤバすぎる……」
突然、愛華が今にも泣きそうな表情で歩み寄ってきた。
他の生徒も、各々点数を見比べたりして騒いでいる。なぜ止めないアズマックス……。
「どうした?お前もまさかの100点なんていう大どんでん返しだったか?」
「そんな訳ないじゃん!!うえぇ~!!」
冗談のつもりで言ったんだけどな。真に受けたらしく、俺に抱き着き、ついには泣き出してしまった。
そんなに悪かったのか?
無惨にも、床に落ちてしまった愛華のテスト用紙を拾い上げて点数を見る。
「うおっ!こ、これはひでぇ……」
あんまりな点数に叫んでしまう。何事かと、香須美と玲那も覗き込んでくる。
最初のコメントを投稿しよう!