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「青…………」
小さな口から静かに発せられる色。少し虚しく、寂しくもあった。
やはりどこかのレベル0みたいに「その幻想(フラグ)をぶち壊す!!」なんてフラグブレイカーは有り得なかったというコトか……。
「そうか……。俺だけ1人「あるぇ~?相條、お前誰かと間違えてないか?お前赤だぞ?」
「………あ」
「その幻想をぶち壊す!!」
「ど、どうしたのいっちー!?」
「や、こっちの話」
アズマックスが見ていたらしい。玲那は青ではなく赤だったと。
弘法も筆の誤り。
ということは………
「玲那と俺が一緒!?」
「よろしく……ね」
思わずテンションが上がって、玲那の手を取ってしまう。
玲那は少し頬を赤らめ、俺を見上げる。愛華とさほど変わらない小さな身長は、やはり自然と上目遣いになる。
ほんの少し、微笑んでいるように見えた。
「あ~あ。ホントは私がいっちーと同じ団になる予定だったんだけどな~」
両手を頭の後ろに回して、頬を膨らませる愛華は不満そうだった。
「一紀……がんばろうね……」
袖を掴んで、俺を見上げながらボソッと呟く玲那の言葉に何故かやる気がふつふつと湧いてきた。
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