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「赤団と言えば、この学園での実力は最強クラスですよ。過去10年間、総合優勝は全て赤団が取っています」
どこから聞いた情報だろうか。諒平の口が滑らかに動き、ミーティングを行う以前から、赤団の特徴が耳に入ってくる。
特にそれを聞いてどう思う訳でもないけどな。
俺は俺の、やるべきコトをするだけだ。なんてカッコいいコトを言ってみる。
「へぇ。まぁでも、10年なんて区切りが良すぎるからな。今年で優勝逃すかもよ」
実際、そういう話はよく聞く。
今まで勝ち続けていたチームが、区切りのいい数を境に、優勝を逃す。
なんとも不思議な話だけどな。
「赤団なのに消極的ですね」
「変に気負っちゃダメってコトだよ。ショックアブソーバって言葉知ってるか?」
「もちろん。しかし、今年はより一層期待大ですよ。全団で唯一、女性が団長を務めてますから。」
「女の人が?」
「ほら、生徒会長の」
「あぁ…あの豪快な人な……」
記憶の片鱗を辿る。
何度か生徒会の集まりで見たことはある。
確かに、体の割りに男勝りな雰囲気はあった。どちらかと言うと、香須美みたいな感じか。
まぁ全然見た目は違うけどな。
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