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諒平が言っていた通り、さすが赤団の雰囲気は他とは違っていたように感じた。
なんというか、運動のできそうな奴らが多い。
「あ、一紀さ~ん♪玲那ちゃ~ん♪」
そんな中、ほんわかとした声が聞こえて、空気が一瞬緩む。
赤団の人混みの中から、黒髪のツインテールを揺らめかせた少女が手を振りながら出てきた。
「な、夏ネェ!?」
「わぁ~♪2人とも私と同じ団なんですね♪嬉しいです~♪ひゃっ!」
ニコニコと眩しい笑顔を振り撒いて駆け寄って来るが、途中で足をひっかけてコケてしまった。
まぁ…優勝の期待大な団にも、1人くらいこんなのがいてもおかしくないよな……
「はうぅ…痛いです……。あ、ご、ごめんなさい」
その場でうさぎ座りをして涙ぐんでいる夏ネェはやはり場所を取るようで、そこを通行する生徒の邪魔になっていた。
なんとなくドジな夏ネェの可愛らしさに心打たれた俺は、手を差しのべてしまう。
「あ、ありがとうございます♪一紀さんやさしいです♪」
またニコリと優しく微笑まれて、立ち上がった瞬間に抱きつかれてしまう。
ちょっ……視線が痛い…
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