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「よし、自己紹介も終わったコトだし、種目を決めるぞ」
メリハリの効いた進行で、ミーティングが進められていく。
体育大会を楽しいと思えるかどうかは、どんな競技に出れるかにも関わってくると思う。
リレーみたいな目立つ競技に出れば歓声を浴びて高揚感に浸れるし、逆にそれほど目立たない競技に出ればそれなりで終わる。
まぁ、どう思うかは人それぞれではあるが。
「玲那は何に出たい?」
「………………」
競技一覧が載ったプリントを配られ、それを凝視する玲那。
こいつはあまり目立ちたがらないヤツだから、ちんまりとした競技を選ぶかもしれない。
しかし玲那の潜在能力は未知数。どう転ぶからわからないな。
「一紀と…一緒の種目がいい……」
ボソッとそう呟いて、俺を見る。異性から「一緒に」と言われて、ドキッとしないヤツはいるだろうか。ましてや、玲那みたいな美少女に。……いないだろうな。
実際、玲那の一言で俺の気持ちは舞い上がってしまったんだから。
「一緒に、これやろう」
プリントを差し出し、一覧の中の一項目を指差す玲那。そこには『二人三脚』の文字が。
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