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「どうして、逃げる…の?」
廊下を走りながら玲那が問いかけてくる。
あんたのせいだよあんたの!!
と言いたくなったのは言うまでもない。玲那も意外に鈍いのかもしれない。
「見せつければ…よかった、のに……」
全然鈍くなかった。むしろ策士っぽかった。
絶対最近の玲那は愛華化しているだろ……。
「捕まえたぁ!」
そして呆気なく捕まるのだった。玲那を連れながらの脱走劇はさすがに無理があったか。
「くそっ。俺の俊足があればこんなポニーテールッ」
「どうやらあんたは私を怒らせたいみたいね」
見せつけるかの様に髪留めをほどく香須美。背中まで伸びるブロンドヘアーが風で靡き、光りで煌めいた。
なんだかんだ言って香須美は髪を下ろした方が似合う。
「………何よ…?」
「……やっぱ髪下ろした方がカワイイな」
「っ…!!」
バキッ!
「いてぇ!!なんだよ!?」
「う、うるさいっ!!ほら、早く行くわよ!!」
たまに褒めたらすぐこれだ。
本日2回目。後ろ襟を掴まれて教室へ搬送されるのだった。
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