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「ちょっとあんたらねぇ……」
頭を抱えるようにおでこに右手をやり、ため息をつく香須美。
とっっっても憂鬱そうだ。
「だってかすみん家広いじゃん♪一回行ってみたかったんだよねぇ~」
愛華が香須美に抱きつくと、玲那も釣られるように抱きついた。
その絵はまさしく3姉妹を見ているよう。さしずめ、香須美が長女、愛華と玲那は双子といったところか。
「そういう問題じゃないでしょ……大体「何かマズイことでもあるのか?」っ!!」
意地悪く聞いたつもりだったが、どうやら図星みたいだ。香須美にしては珍しく目が泳いでいる。
「べ、別に無いわよ?はっ、あるわけないじゃない」
「じゃあ行こう!」
「「お~」」
「ちょっと待ちなさい!!」
凄まじい机を叩く音と共に、香須美の怒号が教室に響く。
教室を出ようかとしていた俺達3人はビクッとして振り向いた。そこには、肩で息をする香須美が俺達を睨み付けていた。
その他生徒も一瞬静まり返るが、また喧騒を取り戻す。
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