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「……わかったわよ…。言えばいいんでしょ?嫌がる理由」
ため息をついて、机に腰かけて腕を組む香須美。ため息の多いヤツだ。
まぁ、いいじゃないか。聞こうかその理由。
「実は………ウチの母親がね……」
その一言で、今まで想像したコトのなかった香須美の母親を初めて想像する。
―――――――
「おらっ!あんた!さっさとタバコと酒買ってこんかい!!」
「ヒイィ!!許してママー!!」
「母さん……。そのくらいで許してあげなよ……。父さん泣いてるよ?」
「あ、おかえり香須美♪由香莉もおかえり~♪今日も私に似てキレイだね~♪」
「母さん……家の中でくらいサラシ巻くのやめなよ。あと木刀」
「えぇ?サラシがないと胸が邪魔で動きにくいんだよ……」
―――――――
「こわっ!!香須美ママこわっ!!極道の女じゃん!!」
「?」
おっといかんいかん。ついつい一紀ワールドに入り込んでしまった。まさかな、今どきそんな母親なんているわけがない。
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