12244人が本棚に入れています
本棚に追加
「で?その母親に何か問題でもあんのか?まさか病気とか……」
「まさか。至って健康よ」
「なら別にいいじゃん♪ね~?」
そう言って顔を見合わせる愛華と玲那。
確かに、病気じゃないなら問題はないはずだ。嫌がっていると言うのなら話は別だが……
「はぁ……わかったわよ。行けばいいんでしょ行けば」
面倒くさそうにカバンを担いで歩き出す香須美。
そこまで言われれば気になってしまうのが人間の性。
かくして俺達一行は、香須美の母親がどんな人なのかを想像しつつ孔寺蓮家に向かうのだった。
さて、話は変わって、俺達の通う学園は小高い丘の頂上に位置している。
その丘の麓にメインの街が散開し、学園と街の間に俺達の住む家及び団地が段々畑の様に広がっているのだ。
学園から見える景色は見事なもので、住宅街からビル、港、海まで一望できる。
俺達が今から向かう孔寺蓮家は、その坂を下る途中にある大きな屋敷。
おっと、ここでもかろうじて見るコトができるな。
それくらい広大な土地を持つ孔寺蓮家に向かう訳だ。
最初のコメントを投稿しよう!