第二章《茜色の過去》

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茜はその後、何人もの生徒に声をかけて、なんとか吹奏楽部を形にした。 『でもさぁ』 一人の男子が言う。 『こういうのって勝手にやっていいわけ?』 そう。茜は、学校にも話を通さず、勝手に進めていた。 集まった人数に不足はないが、その話を通さなければ部活にもならないし、第一顧問の先生もついてくれない。 『それは考えてなかった』 茜本人も、ただ音楽をやりたい一心で進めていただけだったのだ。 悩む茜…… それを救ったのは他でもない、親友の緑だった。 『皆! ちょっと聞いて!』 皆は、一様に緑に振り向く。 『先生! お願いします!』
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