第二章《茜色の過去》

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緑の声の後に、先生が一人入ってきて言った。 『森川さんから聞いたわよ』 皆、その姿にポカンと口を開けたまま。 だが先生は続けた。 『じゃ、しっかりしごいていくから、覚悟しときなさい』 そう言った後、茜は緑に抱きついて喜び、他の皆は跳び跳ねたり、寝転がったり…… それぞれが歓喜の声をあげ、音楽室中を喜びで満たした。 「緑ぃ! ありがとね!!」 茜は、まだなにも始まっていないにも関わらず涙が止まらなかった。 昔から泣き虫な癖は、変わらないままらしい。 その日から、茜は吹奏楽部の部長として活躍していく。
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