第二章《茜色の過去》

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『あたしね、今内緒でピアノの練習してるんだよ』 茜はまたしても突然。 『一曲だけだけど、もう間違わずに弾けるようになったわ』 実は茜、放課後一人で片付けをしていたのは、片付け終えた後に、ピアノの練習をするためだったのだ。 『へぇ聴きたいなぁ!』 『いいわよ』 掃除用具を片して、二人は笑顔でピアノの前に座った。 『オホン! えぇでわお聴き下さい』 『アハハ! 何よそれっ』 『発表会で見たのよ、お偉いさんがそうしてたの』 二人は笑い転げてから…… 『じゃあ、弾くわよ』 茜は、静かにピアノを弾き始めた……
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