97人が本棚に入れています
本棚に追加
/85ページ
──5月中旬
茜が死んでから、もう半年が過ぎようとしている。
想いを込めた手紙。
僕にくれたオルゴール。
愛……。
僕はあの後、部屋をゆっくり片付けた。
涙はやはり止まらなかったが、茜の表情を見ると、何故か微笑んだ。
あの時の記憶を、僕が忘れない。
そのことが、茜と僕を繋ぐ事になる。
それに気がついた僕の心は晴れやかで、清々しくて……
まるで、茜の瞳を見ているような気さえしていた。
最初のコメントを投稿しよう!