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──あの、茜が死んだ日……
泣き崩れた僕にそっと、手を差し伸べてくれた人がいる。
『君が……せいじ君?』
?
その人は、暖かそうにマフラーを首に巻きながら、僕の肩に手を置いている。
『……き、きみは?』
泣きじゃくり、茜を抱き抱えながら、僕はその子に質問した。
『私は、森川緑(モリカワ ミドリ)』
緑さんは、自己紹介をしてから……
『茜の親友よ』
あの時の茜のように、ニッコリと笑って見せた。
ただ違ったのは、黒い瞳を持っていた事。
そして彼女も
……
『あ……茜は……』
彼女も、僕と同じように泣き出した。
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