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それから、沈黙が続いた。
二人とも、ずっと茜の死を嘆いた。
ずっと……
すこしたってから、緑が言った。
『せいじ君……話は聞いてたわ』
突然の言葉だった。
顔は合わせず、茜を見て泣きながら会話をしていた。
『茜は……本当に君のことが好きだったのよ』
さらに、続けた。
『私も病院にお見舞いに来てたけど、あなたと話しているときは行けなかった……』
『ど、どうして?』
僕は聞いた。
緑は、静かに言う……
『茜が幸せそうだったから……』
え……
僕は、この時気がついた事がある。
『もしかして、毎日茜が遅れてたのは……』
緑はコクりと頷いた。
『私達としゃべってたから……』
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