7人が本棚に入れています
本棚に追加
クリスマスイブの夜。
私は昔みたいに寝たふりしてサンタを、おじいちゃんを待った。
もしかしたら、今年はすっごいプレゼントを用意してるのかもしれない。
だから早めに山を降りたんだ。
この鍵は、きっとそのプレゼントを開ける鍵。
ならその瞬間を捕まえてやろうと思った。
私に心配かけてどこ行ってたんだって。
でも、サンタは来なかった。
そのかわり、サンタの片割れがきた。
突然家に何かがぶつかった。
しかも、上の方……、屋根に。
鳥が落ちてきたのかもって思ったけど、もしかしたらいつもみたいに窓から入るために屋根に登ったおじいちゃんが転んだのかもしれない。
年寄りすぎるとか言ってたし。
私は窓から屋根にあがった。
例え鳥でも、屋根に穴が空いてるのは確実だし、おじいちゃんなら助けなきゃいけない。
でも、そこにいたのは鳥でもおじいちゃんでもない。茶色い毛色で頭から立派な角が生えた赤ハナの……。
「……鹿?」
「トナカイだよっ!」
そう、トナカイ。
大きなソリとトナカイが屋根に突き刺さっていた。
しかも、このトナカイ……喋る。
最初のコメントを投稿しよう!