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『なっ…なんじゃこりゃァァァァァっ』
「…なんじゃこりゃァァァァァっ!」
「え、いきなりなに叫んでんの!?」
朝、いつも通りに起きて下に降りたら兄貴がテレビを見ながら叫んでいた
てかなんで太陽にほえろ見てるの?別に悪くはないけど…
「あ、淳くんおっはよー」
「あぁ…っていやいや、それよりさっきのなんなの?」
「今ね、太陽にほえろ見てんのー。松田勇作かっこいいよねっ」
「うん、見てたら分かるって」
「…なんじゃそりゃァァァァァっ!」
「だからって叫ぶなよ、近所迷惑だから!」
『……なんじゃこりゃァァァァァっ』
「なんじゃそりゃァァァァァっ」
「なんか一部違うしっ!何回同じとこ見てるんだよ」
「うん、かれこれ15回以上は見てるよ?」
「そんなにそこが好きか…」
あぁっ、なんか朝っぱらから疲れるっ
今日は珍しくあいつが来ないからゆっくり出来ると思ってたら…
俺って報われないよな
「…あ、淳くんが起きてくる前に春樹ちゃんから電話きたよー」
「ん、電話?なんかあったっけか…」
「なんか…切羽詰まった感じで淳くんが起きたら電話してくれって」
切羽詰まった感じ?
…なんかあったのだろうか
でも今日は和哉さんも家にいるはずだからわざわざこっちに電話しなくとも…否、もしかしたら何か問題があったのだろう…そうしか考えられない
「…」
「あ、もしかして心配?」
「…っ、そんなわけないだろっ!」
兄貴に図星をつかれておもわず叫んでしまった
ヤバい、これじゃいかにも心配してますって言ってるようなものじゃないかっ!!
しかも兄貴は意外と鋭いから侮れない…
てか何そのにやけ顔…
「ふーん、そっかそっかぁ」
「…別に心配とかじゃなくて…ただ…」
「え?今どき流行りのツンデレ?」
「はぁ?!」
「まぁとりあえず電話してあげなきゃ!もしかしたら急ぎの用事なのかもしれないよ?」
「…あぁ」
なんか腑に落ちない…
でもとりあえず電話してみなきゃ分からないままだ
俺は家の電話から春樹の家に電話した
「…あ、春樹か?」
「…」
「…?おい、なんか言えよ」
「…」
「春樹?なんか、あ…」
「ったのか」と続くはずだった言葉は春樹の一言によってかき消された
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