107人が本棚に入れています
本棚に追加
「美弥はね、両親に捨てられたんだよ。」
清々しいほど笑顔で言った。
…うん、笑顔で言うことじゃないよな。
絶対にシリアスにしなきゃいけないとこだからな。
サラッと言われたからどうしたらいいかわかんないな…
まあ、疑問点挙げればいいかな。
「大元はよくわかった。でも、何故捨てられた?そして、何故ここまで過敏になるんだ?」
「それがここだけの話…」
井戸端会議するおばさんみたいな振りで話し出す。
隣に、あらやだそれ本当?とか言ってるおばさんが見えるのは俺だけかな…
「ここだけの話?」
仕方なく乗ってあげる事にした。
「実は…」
「実は?」
「何と…」
「何と?」
「両親に…」
「両親に?」
「……………いや僕も知らないんだけどね!」
「知らないんかーい!ズコーン」
…なんだこの茶番は。
ふざけるのも大概にしろよ。
「つか美弥泣いてるってのに何やってんだよ……って笑っとるやないかーい!」
いつの間にか泣き止んでいてしかも笑っていた。
びっくりし過ぎて思わずつっこみしてしまったじゃないか。
最初のコメントを投稿しよう!