その天使、憂鬱

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天界と地上では流れる時間の速さ全く違っていた。 その差は6倍。 その為、人間の世界で一年が経過すると 天使の世界では六年の時が流れる事になる。 ある天使の年齢が60歳だと その天使は人間界では10歳ということになる。 100歳を超えても天使の外見は若くて当然なのだ。 そしてアラスの年齢は天界では168歳 人間の時間にすると28歳というわけだ。 彼は168年間この天界生き続けている。 クロノスも168歳 人間界では28歳。 ソフィアは156歳 人間界では26歳。 三人は昔から顔なじみとなっていた。 だが、三人は上級天使としてはまだ若い方だった。 それだけ彼らの実力が高いという事がわかる。 その為、彼らは周りに尊敬されていた。 しかし、アラスはそんなものに興味などなかった。 身分や信仰、神への忠誠などに彼は見向きもしていない。 むしろ、それらを彼は鬱陶しいと思っていた。 “自由気ままに生きたい” 彼は時折そう考える それはまるで、堕天使のような考えだった。    
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