その天使、最凶

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「……もう満足かね?」 「なっ、バカな!」 自慢の武器も 自慢の実力も その天使には届かない。 「ククク、さよならだ」 その言葉が終わると同時に天使は右手に持っている剣を一瞬で、ヴェネルの腹部に突き刺す 「ぐっ……がぁ……」 突き刺さった所からは大量の血が流れ、死が一瞬にして近づく 「ぁ……この……俺が……」 信じられない。 上級悪魔である自分が負けた。 ヴェネルは信じられないくらいの屈辱を味わった。 「安心したまえ」 天使はヴェネルの腹部から剣を抜くと、剣には彼の血が大量に付着していた。 ヴェネルは立つ力さえも残っておらず、その場に倒れ込む。 「キミが弱すぎるのではない、私が強すぎるだけだ」 地べたに倒れている敗者を見下ろし、不気味な笑みを浮かべる 「て……てめぇ……」 ヴェネルは死が迫るなか、顔を何とか上げ、目の前の天使を見る。 「化け物……かよ……」 「ククク、悪魔のキミに言われたくないねぇ」 「クソ……何者だよ、てめぇ……は」 「あぁ、私かね?」 天使はニヤリと笑い、赤い瞳がヴェネルを見下ろす。 「私の名はアラス。キミを殺した相手の名前だ、ククク……」    
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