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外の雨がシンシンと降る中、圭介は希に語り掛けた…
『あっあのさ…あんまり言いたくないことなんだけど聞いてくれる…?』
『うん…』
『希って両手ないし車イスだし…過去に何があったか教えてくれないか?』
『その話は聞かないで!!!』希が突然大声で答えた。
『でもさ~聞いてかないとダメなことじゃない…?』
『私のことバカにしてる?両手もなくて車イスの私に同情してくれてるの?』
『同情してるに決まってるじゃん!誰が見ても気になる所だよ…』
『………』
『無理に話さなくていいから!!』
『横断歩道で圭介に初めて会った時、圭介は私のこと助けてくれた…やっぱり過去に何があったか圭介には知ってもらいたい…聞いてくれる?』
『うん!!!』
『私ね…幼い頃にひどい交通事故に遭ってね…両手もあっという間になくなって足も不自由になっちゃった…それから何回も何回もひどいイジメにあった…手がないお化けって言われたり…もう私、人生が嫌で嫌で仕方なくて…』
希はそれを言い放つと突然大声で泣き出した。涙は雨のように流れていた…
圭介はこの時、希を俺が守りたいと一瞬思った…
泣いている希を見た圭介は思わず優しく後ろから抱き締めた…
希はそれでも泣き続けた…
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