第4話『君の涙』

2/2
前へ
/12ページ
次へ
外の雨がシンシンと降る中、圭介は希に語り掛けた… 『あっあのさ…あんまり言いたくないことなんだけど聞いてくれる…?』 『うん…』 『希って両手ないし車イスだし…過去に何があったか教えてくれないか?』 『その話は聞かないで!!!』希が突然大声で答えた。 『でもさ~聞いてかないとダメなことじゃない…?』 『私のことバカにしてる?両手もなくて車イスの私に同情してくれてるの?』 『同情してるに決まってるじゃん!誰が見ても気になる所だよ…』 『………』 『無理に話さなくていいから!!』 『横断歩道で圭介に初めて会った時、圭介は私のこと助けてくれた…やっぱり過去に何があったか圭介には知ってもらいたい…聞いてくれる?』 『うん!!!』 『私ね…幼い頃にひどい交通事故に遭ってね…両手もあっという間になくなって足も不自由になっちゃった…それから何回も何回もひどいイジメにあった…手がないお化けって言われたり…もう私、人生が嫌で嫌で仕方なくて…』 希はそれを言い放つと突然大声で泣き出した。涙は雨のように流れていた… 圭介はこの時、希を俺が守りたいと一瞬思った… 泣いている希を見た圭介は思わず優しく後ろから抱き締めた… 希はそれでも泣き続けた…
/12ページ

最初のコメントを投稿しよう!

11人が本棚に入れています
本棚に追加