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毎日のように通っているパチンコ屋は俺の住んでいるマンションから歩いていける距離にある。簡単に言うと俺のマンションから大きな横断歩道を挟んで向こう側にパチンコ屋があるということだ。
パチンコ屋の帰り…いつものように俺は大きな横断歩道で信号が青に変わるのを待っていた。すると俺の隣に電動車イスに乗った女性がやって来た。
電動車イスの女性の方をジロジロと俺は見た…
茶髪のロングヘアーに大きな瞳、美しい唇…顔はかなりの美人だった。しかし女性の両手がないことに気付いた俺は鳥肌が立った…
信号が青に変わり信号を待っていた人達が一斉に歩き出した。俺も渡ろうとしつつも電動車イスの女性に興味がありジロジロ見ているとある異変に気付いた…
どうやら電動車イスの車輪が溝にはまってしまい動けなくなっているのだ。でも誰も助ける人はいない…信号も赤に変わってしまう…俺は舌打ちをしながらも電動車イスの女性に声を掛けた。
『どうしたんだよ?』
『車輪が溝から抜けなくて…』女性は動揺しながら喋った。
『しょうがねぇなぁ~!!』俺はそう言って車輪を溝から引き抜いてあげた。
『あっありがとう…』女性は可愛らしい声で圭介にお礼を言った。
『お礼なんて要らないよ!』俺は冷たく言い放ち横断歩道を渡った。
まさにこれが俺達の出逢いだった…
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