第3話『二人きりの夜』

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『なんか喋ってよ…』圭介はブツブツ言いながらストーブに火をつけた。 『………』彼女はそれでも無言のままだ。 『何も喋らないから俺からいろいろ聞くけど…名前はなんて言うの?』 『希…水谷希…』彼女はようやく口を開いた。 『なんて呼べばいい?』 『希でいいよ…』 『分かった。希って呼ぶよ!』 『うん…』 『俺の名前は桐谷圭介!圭介って呼んで?』 『うん…』 『あのさ~どこから来たか知らないけど、もう外も真っ暗だし雨も降ってるし…俺んち泊まってく?』 圭介の思いもよらぬ発言に希は困惑した。 『大丈夫だって!何もしないよ!!』圭介は必死に弁解した。 『じゃあ泊まる…』希は可愛らしい声で答えた。 こうして俺たちの二人きりの夜が始まろうとしていた…
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