11人が本棚に入れています
本棚に追加
/12ページ
『なんか喋ってよ…』圭介はブツブツ言いながらストーブに火をつけた。
『………』彼女はそれでも無言のままだ。
『何も喋らないから俺からいろいろ聞くけど…名前はなんて言うの?』
『希…水谷希…』彼女はようやく口を開いた。
『なんて呼べばいい?』
『希でいいよ…』
『分かった。希って呼ぶよ!』
『うん…』
『俺の名前は桐谷圭介!圭介って呼んで?』
『うん…』
『あのさ~どこから来たか知らないけど、もう外も真っ暗だし雨も降ってるし…俺んち泊まってく?』
圭介の思いもよらぬ発言に希は困惑した。
『大丈夫だって!何もしないよ!!』圭介は必死に弁解した。
『じゃあ泊まる…』希は可愛らしい声で答えた。
こうして俺たちの二人きりの夜が始まろうとしていた…
最初のコメントを投稿しよう!