下山美緒の憂鬱

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――――――数分後。 「えー何何ー?仮装ー?」 「うっわ~……孝広ォあれお前の元カノなん…ヒッ」 女どもが遠巻きから面白そうに眺め、囃したてていた男は金髪をツンツンツンツン立てた男のひと睨みで黙りこくった。 ―――――現在地、校門前。 制服が見つからなかったあたしは、黒い髪を高い位置で結び、上下スウェットにお土産屋さんで買った新撰組の羽織りを着て悠々と登校していた。 やべえあたし決まってるwwwwwwwwwwwwwただし上半身に限るwwwwwww着替えるのメンドいwwwwwwwww 一際あたしを睨んでくる金髪ツンツンの孝広くんは、うっかり口走ったさっきの男が言った通りあたしの元彼です。超睨んできます。 よほど憎いようです。 あたしもじゃwwwwwwwwwwww それにしても好きなことをやってるだけなのに、なんだってこう世の中風当たりが強いのかね? 皆が同じことをして同じふうに笑うのがそんなに大事なことなのかな? ツンツンくんに一瞥くれてやり、あたしは正門から堂々と8ヶ月ぶりの学舎に足を踏み入れた。
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