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チチくんに報告。予定日がまだ分からないほど小さいこと、でもちゃんと超音波写真にうつっていること、ワタシはこの命を大切に思えてきたってこと。
ワタシは小学三年生のときに兄(当時17歳)を交通事故で亡くしている。
とんでもない不良少年だったけど、ワタシにはとっても優しい優しいお兄ちゃんだった。
なんの根拠もないが、兄が戻ってきてくれたような気になったから…
男の子だったら、父はきっと喜ぶだろう。
ワタシは全てポジティブに考えていた。
でも…チチくんは???
まだ稼ぎも少ないし、成人式が済んで間もない、遊びたい盛り。
きっと堕ろしてって言うんだろうな‥
と思ってた。
しかしチチくんは意外にも。
「なんとかなるさー」
の一言だけ。 ホンット楽天家!
思ってたより、すんなり話は済んだ。
その後チチくんは自分の両親に話し、結婚するから。と、電話で伝えた。
チチくんのファーザーは少し驚き、仕方ないなぁと言ったようだ。
いつまでも独身よりはいい、これで少しは落ち着いてくれるだろうと思ったらしい。
髪を黒く染め、短髪にしたチチくんは私の両親の所にスーツでやってきた。
うちの父は額の血管をぴくぴくさせながら黙って話を聞き、意外にも快く承諾した。
手に職を持っているチチくんに、自分と重なるものを見たのか…妊娠のことは伏せてあったので、式を挙げたあとにやっと知らされたがふぅん、というカンジだった。
そんな感じでトントン拍子に話は進み、ハハは21、チチくん、20歳ではれて結婚式を挙げたのだ。
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