13人が本棚に入れています
本棚に追加
もう会えないと分かっていたなら――わたしは、あなたに答えてあげるべきだった。
白玉か何ぞと人の問ひしとき
露と答えて消なましものを
露のように儚かった私達の恋。
どうせなら、あなたと二人きり、露のようにこの身ごと消えてしまいたかった。
姫――
男が顔を上げると、目の前には白い月の光を受けて、雨露のきらきらと光る草原が広がっていた。
その光景が星空よりも美しくて――男は、また、泣いた。
最初のコメントを投稿しよう!