芥川

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姫、あなたは今、兄君たちの元、私の名前を呼びながら、嘆き悲しんでおられるでしょう。 姫、お顔をお上げください。泣き顔などあなたには似合いません。 私が初めてあなたと出会ったときのような、晴れやかで凛とした、あの微笑。 誰も触れがたいあの高貴なお姿こそ、あなたには相応しいのです。 姫、姫。もう会えないと分かっていながら、未だ私はあなたを恋しく思います。 初めてあなたのお姿を見た時から、叶わぬ恋と知っていたのに、とうとうこんなところまで私達は来てしまいました。 この、一面に真珠を零した、芥川のほとりに。 姫。
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