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「今、お墓の前で何か言われてたようだけど、貴方も大切な人を?」
「え、えぇ。バカな奴ですが、俺にとっては大切な奴なんですよ。たまに来てやらないとイジケちゃうんで、ハハ…」
「あら♪なら邪魔しちゃ悪いわ、おじゃま虫はここで退散しますね♪」
女性は子供を抱き上げると、海流に軽く一礼した
「いえ大丈夫ですよ、あ!その子に俺はまだ“お兄さん”だと言い聞かせておいてくださいね!」
それを聞いた女性はクスッと笑った
「分かりましたよ♪じゃ、さようなら!お仕事頑張ってね、藤堂海流君♪」
「え゙ッ!!?」
自分の名前が知られていたことに驚いた海流を見た女性は優しく微笑み、その地を後にした
「うわぁぁぁ……え?マジ?なんか嬉しいな、なはは…」
墓地には良い年してみっともなくニヤケている男が残された
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