着火

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まあ大体あんなムードの欠片も無い初キスなんて望んじゃいなかったし、まあ結果オーライ? 映画も終わり、私たちは映画館をでる。 「あら皆さん、ごきげんよう」 そう挨拶してきたのは、ブルジョア野郎の〝東城美咲〟だ。 佳奈のクラスメートでクラス委員長だ。 まあ見た目からしてそんな雰囲気あるし。 そして男子に人気があり、美咲の周りには親衛隊がいつもいる。 「あ、美咲さんこんちは~」 佳奈は笑顔で美咲に挨拶をする。 あぁなんでアナタはそんな可愛いの。 食べちゃいたい、いや食わせろ。 「ブプッ! あ、新垣さん…………今日も一段と輝いてますね」 鼻血出しやがったコイツ。 そういえばコイツも私と同じ位佳奈を好いてるんだった。 「み、美咲さん! 大丈夫ですか!?」 「美咲さん! 良かったら僕のハンカチを」 「ばっかお前! 美咲さん! 俺のハンカチをどうぞ!!」 美咲の親衛隊共が一斉に美咲にハンカチを差し出す。 そんなに美咲に気に入られたいか? 美咲も私と同じ人種だからまず無理だね。 「さきちゃんモテモテだねー羨ましい~」 安心しなさい真希、アナタも結構モテてるわよ。 全員ストーカーだけど。  
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