一章

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‡センリ、ミラ、トキス視点‡ 「オッス!戻ったぞぉトキス!!!」 「おかえりー」 「今日も間抜けな旅人引っ掛けてきたよん♪」 トキスが元気よく荷物を掲げて帰るとセンリが見ていた本から視線を移しながら言い、ミラがピースしながら笑顔で言った。 テントのような布を張っただけの家には、敷き布団とベッドが2つあるだけだった。 彼らは別にそれだけ貧しいワケではなく、普通の生活が合わなく路地にテントを張り生活しているのだ。 「早く中身見て飯行こうぜ!!!」 トキスが言うと、センリは本をベッドの上に起き立ち上がり2人に近寄った。 「今回の奴はけっこう金持ってそうだったよな」 「だよね、だって服についてる装飾品とか金だったもん」 3人は荷物の中身をザラザラとひっくり返した。 そしてトキスは眉を下げた。 「なぁんだ、金目のモンないじゃん」 「ほんと、ガラクタばっかぁ…売れそうなのは短剣に革の小袋に……」 「っ!、ちょっと待て。ミラ、それ見せろ」 「え?うん、はい。」 ミラがガッカリしながら一つ一つを見ていると、センリがある一つの物を目に止め、手を出した。 ミラはセンリの手にそれを置くと、センリはまじまじとそれを見た。  
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