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「え?」
「だからさぁ、ちゃんと“好き”って言ってあげてる?」
「なんでそんなこと……」
「いやね、杏奈ちゃんがタマに言うのよ。中原君、ホントに私のこと好きなのかなーって」
優は驚いた。
まさか杏奈が、そんなことを言っていたなんて夢にも思っていなかったのだ。
「鈴本が……」
「苗字呼びも、やめてあげた方がいいと思うよ?
そういうので壁感じたりする場合もあるし……じゃ、私着替えてくるから!
バイバイ!」
「え……あ、はい」
更衣室の方へ走っていく志保。志保の残した言葉は、優の脳裏に強く残った。
かなり図星だったのだ。
実際、優は恥ずかしさから杏奈にあまり愛情表現が出来ていなかった。
それに苗字呼びに壁を感じていたのは、優も同じだったからだ。
(志保さんがあんな事言うってことは、鈴本も本当は名前で呼んで欲しかったのかな……?)
(……杏奈……なんか恥ずかしいな。それに愛情表現だろ?だったら……)
(杏奈、好きだよ)
「……無理」
優はシャイだった。
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