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店を出ると、
優は自分のアパートへ車を走らせた。
白い雪が降り始めており、ホワイトクリスマスという言葉が優の頭に浮かび上がった。
街にはカップルが腕を絡ませたり、手を繋いだりしていた。
その女性の表情はとても幸せそうだった。
(……あの人は、ちゃんと彼氏から“好き”って言ってもらえてるのかな?……もらえてる、よな)
優は、自分のアパートとは違う方向に向かい始めた。
「好きだよ杏奈……好きだよ杏奈……好きだよ杏奈……」
照れながら練習しながら、
優は鈴本家に車を走らせた。
そして鈴本家に到着。
その頃には、優の胸の高鳴りは尋常でなかった。
「ふぅー」
鈴本家を見上げ、
深く息を吐き出すと、
優はインターホンを鳴らした。
ドタドタと、足音が聞こえてくる。
ドキドキがさらに増していく。
(鈴本か……鈴本か?)
開くドア。
現れたのは鈴本の姉だった。
「おー、優くん。
どーぞどーぞ!
杏奈なら今、部屋にいるよー」
「あ、ありがとうございます」
優は少しほっとしながら、
杏奈の部屋へ向かって行った。
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