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店を出ていく杏奈を見ていると、外の駐車場に見覚えのある黒い車が停まっていた。
店を出た杏奈は、
その車に駆け寄り、乗り込んだ。
その黒い車が、
杏奈の彼氏の車だということを勇斗は知っていた。
今まで何度か見たことがあるし、杏奈が以前、彼氏の車だと言っていたのだ。
(いいな……杏奈さん。
俺も早く優里と……)
「勇斗!オーダーは!?」
「あ、はい!スパゲッティとハンバーグ――」
(羨ましがってても仕方ないか。今はバイトに集中していよう)
勇斗のクリスマスは、
まだ始まらないようだ。
一方、杏奈の乗り込んだ車の中。
「あいつ……鈴本のことガン見してたよな」
杏奈の彼氏、中原優はモヤモヤした気持ちを抑えきれずにいた。
それが分かった杏奈は、嬉しくなって、ついからかってしまう。
「え、まさか嫉妬してる~?」
「はあ?まさか――」
「嫉妬だ嫉妬だー!
シッティング中原君やーい」
「ぶん殴るぞテメェ!」
「でも嬉しい!
ありがとね、中原君」
「う、うっせーバカ」
(あはは、照れてる照れてる)
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