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「なあ鈴本」
(……やっぱり予防線張られてる気がしちゃう)
「んー?」
「もう昼だし、どっか食いに行くか」
優の提案に、杏奈の心が踊りはじめた。
スーパーコンピューターもびっくりするほどの回転が、杏奈の頭の中で展開される。
「焼き肉行こ!」
「え、昼間っから?」
「だって、他のは中原君の作ったヤツの方が美味しいし」
「うーん……え、どんくらい食べんの?」
「自分の限界に挑みます!」
「……よし、バイキングにしようか」
「えー!?」
「晩に、腕によりをかけた特製ケーキ、食わせてやるから」
(中原君の特製ケーキ>焼き肉)
「バイキング行こう!」
杏奈の膨大な食欲を満たすには、普通の料理店ではあり得ない金額を要することとなる。
だから、杏奈と優のデートで食べに行く飲食店は、だいたいバイキングだった。
代わりにバイキング店が悲鳴をあげることになるのだけど、それはまた別のお話。
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