クリスマスの恋人達

6/16
前へ
/16ページ
次へ
「なあ鈴本」 (……やっぱり予防線張られてる気がしちゃう) 「んー?」 「もう昼だし、どっか食いに行くか」 優の提案に、杏奈の心が踊りはじめた。 スーパーコンピューターもびっくりするほどの回転が、杏奈の頭の中で展開される。 「焼き肉行こ!」 「え、昼間っから?」 「だって、他のは中原君の作ったヤツの方が美味しいし」 「うーん……え、どんくらい食べんの?」 「自分の限界に挑みます!」 「……よし、バイキングにしようか」 「えー!?」 「晩に、腕によりをかけた特製ケーキ、食わせてやるから」 (中原君の特製ケーキ>焼き肉) 「バイキング行こう!」 杏奈の膨大な食欲を満たすには、普通の料理店ではあり得ない金額を要することとなる。 だから、杏奈と優のデートで食べに行く飲食店は、だいたいバイキングだった。 代わりにバイキング店が悲鳴をあげることになるのだけど、それはまた別のお話。
/16ページ

最初のコメントを投稿しよう!

2523人が本棚に入れています
本棚に追加