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*2*
日も暮れてきた頃。
やっとバイトが終わった勇斗は、原付で我が家へと急いだ。
家のカギは閉まっていた。
母親が仕事仲間と飲み会に行っていることを、勇斗は知っていた。
だから二人暮らしのこの家のカギが閉まっていたのは、当たり前のことだった。
勇斗は、家に入ると、
クリスマスプレゼントを手にすると、さっさと家を後にし、優里の家へと急いだ。
(原付……か。なんかもう、高校生じゃないみたいだなー)
単純に寂しかった。
大人になってしまったようで、勇斗は堪らなく寂しかった。
優里の家に着くと、
優里の自転車の隣にバイクを止め、インターホンを鳴らす。
中から足音が近付いてきて、玄関のドアが開けられる。
「メリークリスマス、勇斗さん」
現れたのは、サンタコスをした優里だった。
正確にはミニスカサンタというべきで、その美脚が惜しみもなく披露されている。
勇斗は可愛いと思いつつも、優里に疑問をぶつけた。
「そのカッコ、どうしたんだ?」
「お兄ちゃんがバイトしてるケーキ屋さんの店員は、皆サンタさんの格好をするみたいなんです。
それでサンタさんの服が余ってたらしいので、戴いちゃいました」
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