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「お前……」
「似合いません……か?」
身長差から、自然と上目遣いになるだけでなく、その小動物を彷彿とさせる不安そうな表情。
「いや……いい。スゲーいいと思う」
(てゆーかエロい……)
「ホントですか!?実は、勇斗さんの分も用意してるんですよ!」
「え?」
(俺も……着るの?)
あまり気が進まない勇斗だけど、
優里の楽しそうな顔や、期待に満ちた目を見ると、とても拒否なんてできなかった。
「ほら、こっちですこっち!」
(……まあ、いっか!)
案内された部屋で、
優里に促されるまま、
サンタ服を身にまとう勇斗。
着てみると、
なんだか意外に楽しくなってきた自分がいて、勇斗は自分に驚いていた。
部屋から出てると、ドアの前で待っていたミニスカサンタが笑顔になった。
「似合ってます似合ってます!
さ、食事の準備はできてますよ!」
優里が先にリビングに向かっていく。
その後ろ姿を見ると、なんだか勇斗は突然寂しくなってきていた。
来年のクリスマスは、きっと一緒には過ごせない。
それどころか、年に何回会えるかも分からない。
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