クリスマスの恋人達

9/16
前へ
/16ページ
次へ
今までは、毎日会う事が当たり前だった。 だからこそ余計に寂しい。 (そういえば、遠恋中の女の子が言ってたな。 そんな毎日彼氏に会うなんて疲れる。 3日に1日くらいメールのやり取りくらいが丁度良いって) 大人な考えだと思った。 いつか俺もそう思う日が来るのかな、なんて勇斗は想像してた訳だけど。 (やっぱり……俺は) 勇斗は、後ろから優里を抱き締めた。強く、強く抱き締めた。 すると鼻を刺激する、甘い香り。 柔らかく、気持ちのいい優里の身体。 露出している所から伝わる優里の体温。 (俺は……ずっと触れていたい) 「勇斗さん……?」 ちょっと戸惑い気味の優里の声。 (ずっと、この声を聞いていたい) 「離れたくない……」 離れていくのは自分なのに、いったい何を言っているのだと、勇斗は自問自答する。 むしろ、これは優里のセリフだというのに。
/16ページ

最初のコメントを投稿しよう!

2523人が本棚に入れています
本棚に追加