傷痕

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布団に入ったら、色々な意味で疲れていたらしく、すぐに眠くなった。 そして、夢を見た。 「…また可愛がってやるよ」 それは、まさに昼間のフラッシュバックで…息が苦しくなって目が覚めた。 心臓はドキドキして、身体は汗でじっとり湿っている。 辺りを見回して、自分の部屋だって納得はしたけど、動悸は止まらなかった。 ふと、枕元に目をやると、樹の懐中時計が目についた。 手に取ってじっくり見たら、裏に“Albert”と刻印がある。 二重国籍の樹の、もう一つの名前。 これを貸してくれた時の樹の顔が目に浮かんだ。 樹…。 そうだ。 樹が側にいてくれるんだ。 大丈夫なんだ。 自分にそう言い聞かせて、再び眠りに就いた。
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